クロームブックを使っていて一番いらいらするのはアップル系の重要な資産が使えないことだ。
小生の場合はまずApple Musicである。
これが全く使えない。
さらにAppleのweb store もChrome OSでは使えないと非情なメッセージが出るだけである。
これで頭にくるわけだ。なんだ、Chromeでは使えないのか。
ここにAppleの狙いがあるのだ。
Appleはもともと唯我独尊の会社だが、ユーザーの便宜を考えてWindowsでは早くから各種アップル系の資産の利用を解禁している。
Windowsのユーザー規模が大きいため無視できないのだろう。
ではChromeはどうか。確かにユーザー数は小さいだろう。しかし、米国では教育分野はじめすでに無視できない存在になっているのは事実だ。
それでもAppleが未だにChrome OSには自社資産を開放しないのは、長期的に脅威となるChromeをこれ以上のさばらせたくない意図があるためだろう。
つまり、Chromeは「使えない」OSだと思わせることに狙いがある。
本来Appleが強みを発揮してきた教育市場ではChromeが有利なのは低価格、扱いやすさ、管理の容易さから明白だ。Appleもその事実は認めざるを得ないだろう。Apple(やWindows陣営)が恐れるのは学校でChromeに慣れ親しんだユーザーが実社会でもChromeを使い続ける(=シェアを伸ばす)ことであろう。
そのためにChromeに利便性をこれ以上与えてはならぬ、と決意しているのではないか。
Chrome Bookもここに来てこれまでの低価格一本槍の路線が変化し、機能が充実しているようだ。やはりいいものを手に入れるには相応の価格が必要であり、これはメーカーにとっても健全な方向に思える。
しかし問題はソフト資産である。Google Docで大概の仕事が出来てしまえば、MS Officeの役割に疑問を持つ人が当然増える。事実、ここに来てOfficeでは当たり前だった新バージョンの追加が鈍化しているではないか。むしろマイクロソフトはクラウドにより毎月少額を長期間搾り取る作戦に変更しているようだ。
AppleもChromeをこれ以上強くしないためいろいろ画策しているのだろう。
では、日本ではどうか。
残念ながらChromeは鳴かず飛ばずの状態である。敵視する以前に存在そのものが認知されていない状態が続いている。利益がこれ以上減ることを恐れたメーカー、流通があわせて包囲網を敷いているのか、それとも無視を決め込んでいるのか。またユーザーの側も少数派になることを嫌う傾向があり、Chrome Book=好き者のかわったハード、そのうち消滅するジャンルと理解されているのではないか。
だからこそ小生のようなひねくれものがChrome Bookを使っているのだが。
なお、小生はMacintosh 512Kを1980年代末に導入している。